書けない

最近、なぜかブログが書けない。


わたしが主にブログに書いていたのは、恋愛のことだった。以前、恋愛について語るブログを始めたきっかけについて、「喋れる人が少なくて、でも需要はあるようなことを語ろうと思うと、恋愛に行き着いた」と書いた気がする。別に日常のことや他に考えたことについて書いてもいいのだが、わたしはそれらをコンテンツになるほどに昇華することができないし、書くモチベーションも上がらない。やっぱり、単純に恋バナって面白い。恋愛というものは、人を目まぐるしく鮮やかな気持ちにさせるから。


自分のブログを見返してみると、今年の2月~3月にはそれなりに更新頻度が高かったのだが、最近は数ヶ月単位で書けていない。もちろん、ブログのほかに何かを書いているわけでもない。なぜこんなスランプに行き着いてしまったのだろうか。


Twitterで宣言したとおり、いまのわたしには恋人がいて、惚気には事欠かないしとても幸せである。その恋の話をすればいいのではないか、と言われそうだけれど、いざ書こうとすると全然書きたいと思うことが浮かばない。ここ数日前に、試しにいま自分がしている恋愛について書いてみたのだが、筆はまったく進まず、2時間かけた末に内容的にもクオリティという意味でもとても人には見せられないような代物ができあがってしまった。幸せだからこそ、書けないのであろうか。


そういえば、今年の2月~3月というと、嘘告白の元彼と付き合っていた時期と別れた直後であった。別に彼といた時間が幸せなものではなかったわけじゃない。どちらかといえばたぶん幸せなことの方が多かった。ただ、彼といると、なぜか言語化しがたい色々な感情が刹那的に浮かび上がってきて、わたしはそれを毎回心の中でぐしゃぐしゃに丸めてはゴミ箱に捨てていた。そのゴミをたまに拾い上げてはブログのネタにしていたのだ。よく言われる言葉だと「お気持ちになる」というやつに近いのかもしれない。彼はわたしを不思議な気持ちにさせる人だった。複雑で掴みどころのない、迷子になった感情。それを掴むために、必死で文章を書いていた。


あの2ヶ月弱の日々のどこまでが嘘で、どこまでが本当だったのだろうか、といまでもたまに考える。思えばあの人は本当によくわからなくて、でも一緒にいたいと思えるような人だった。憎たらしくて、でも愛しいと思うことをなかなかやめられなかった。別れて8ヶ月もして、ようやく気づいた。わたしに文章を書かせていたのは、他でもない彼だったのだ。